「ザッポス伝説」を読んで感じたこと。

12月頭に発売になり、すでに高い評価を得ている「顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか」を読みました。

ザッポスのCEOであるトニー・シェイが自らの生い立ちからビジネスに対する考え方、そして培ってきたノウハウを書いています。といいつつ、堅苦しいものではなく、まるでトニー・シェイが喋りかけてくるような、自然体の口調(文体)で書かれています。ザッポスの社風を垣間見ることができます。

さて、読んだ感想です。

はじめに感じたのは「ザッポスは古き良き日本企業の経営スタイルをアメリカ流にアレンジしたもの」ではないかということ。

顧客も従業員も大切にするという、かつての日本企業がごく自然に行なっていたことをザッポスはやっています。それと同時に従業員に大きな権限を与え、またボトムアップの仕組みを作り上げています。この部分にはアメリカならではの自主性を重んじる文化を感じました。

このことを読んだとき、僕は日本企業が遂げないといけない進化だったのでは?と、ふと思ってしまいました。

次にボトムアップをとことん追求しているという点。

会社をひとつのファミリーとして結びつけるのに大きな効果を発揮している「10のコア・バリュー」。従業員から要素を募い、まとめあげたため、押し付けではなく自分のものとして順守しています。結果、経営理念の軸がブレずに浸透しているのです。まさにボトムアップが作り上げたものの最高の事例といえるでしょう。ボトムアップの効果を見せつけられました。

最後はCSに関してです。

もともと、広告費を捻出できないからという理由から主軸を置いたCSに重要視した運営戦略にしたらしいですが、これは見事な判断だったと思います。

以前、ソーシャル時代はCSに大きな権限を与える必要があるとブログに書きましたが、ここを重要視するのはソーシャルメディア時代にもっとも大切なことだと思っています。このことをザッポスはすでに実践しているのです。これには読みながら「さすがだ、すごい」と呟いてしまいました。

そしてそのCSの対応にはもっと「すごい」と思ってしまいました。自社に在庫が無ければ他社の在庫を調べて教えたり、顧客の不幸に本気で同情し様々なサポートと心遣いをしたり。最初の話しに戻ってしまいますが、これこそ、ちょっと前の日本の小売業だったら、やっていたことではないかと思いました。


大枠での感想はこの3点です。しかし、他にもいろいろな刺激をもらいました。多すぎて、まだ頭の中で処理しきれていないのですが…。それらは自分の中で消化したら、またこのブログに書き連ねていこうかと思っています。


最後にひとつ。

世の中の経営者はこの「ザッポス伝説」を読んで、いろいろ気づいて欲しいと思います。この本に詰まっていることは非常に重要ですよ。


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