ヤマト運輸のアマゾンに対する運賃値上げ率を聞いて改めて思ったこと


10月1日から実施となるヤマト運輸の運賃値上げに関して、アマゾンジャパン向けの運賃値上げ率は15%以上になるらしい。噂では現在は1個200円で請け負っているらしいので、230円くらいになる想定だ。

その昔、佐川がアマゾンに10%アップを打診して交渉を決裂したことを踏まえると妥当な値上げ率に見えるが、僕は意外と低い値上げ率だと思えた。

佐川vsアマゾンのときは、その他の運送会社としてヤマト運輸がいたから強気にいけた。しかし、今回はヤマトと決裂したらアマゾンは事業を大幅に縮小する必要が出てくる。だから、ヤマトはもっと足元を見て50%くらいの値上げ率をアマゾンにのませることもできたのではないだろうか(もしかすると交渉のスタートはそのくらいで、ここに落ち着いた可能性もあるけど)。

一方、その他の通販業者の中にはヤマト運輸からかなり高い値上げ率を提示されているところもあるらしい。どこかの書き込みでみたのは、倍くらいの値上げ額を提示されたとのこと。これは「もう御社とは取引しませんよ」といっているのと同じに思える。つまり、取扱規模によっては切り捨てることで効率改善を達成するという考えなのだろう。

そう考えると、アマゾンが15%アップですんだのは超大口顧客だからなのだろう。恐らくその他の大手通販会社も同じくらいの値上げ率のはずだ。大手は取扱量が多いから少しの値上げですまして利益効率を大幅に高め、中小規模のところは大幅値上げを提示することで交渉が成立しても決裂しても痛手を負わないですむようにするという考えなのだろう。

怖い話しだ。でも、ビジネスおいて最も強いのはエンドユーザーに近い場所にいるプレイヤーである。なので、通販における本当の強者は通販会社ではなく運送会社なのだ。わかってはいたけど、このように改めてその強さを見せつけられると背筋が冷たくなる。

日本はこれから労働人口が減ってくる。当然、体力的に負担が大きい宅配ドライバーの数は減ってくるだろう。ということは、アマゾンが考えている自社配送網の構築も簡単には実現できないかもしれない。つまり、運送会社の力は今後、ますます強くなっていくことは間違いない。

中小規模の通販会社は、今後どのように対応していくかという方針を早急に定める必要があると、大いに感じた。

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