ナイキ創業者による稀有な自伝、「SHOE DOG(シュードッグ)」


ナイキの創業者フィル・ナイトが書いた自伝「SHOE DOG(シュードッグ)」を読みました。

普通、自伝というと、書き手の後づけによる自慢話になってしまうので、話半分に流し読みしてしまうことがほとんどです。

しかし、こちらは後づけもなければ、自慢話もない、稀有な自伝でした。

というか、ぶっちゃけ話ばかりで、読み終わった後、「ここまで書いて、大丈夫なのか?」と思ってしまいました。

なぜなら、オニツカと代理店契約を交わしてから慌てて事務所を借りたり、他拠点で孤軍奮闘する部下をずっと放置したりといった、普通は自分から語ってはいけないようなことが、さらっと書かれています。自伝なのに。。。

また、美談として語られることが多い資金繰りに困窮して追い詰められた話や、他ブランドへの醜さも感じられる対抗心なども、オブラートに包むことなく率直に語られています。自伝なのに飾りっ気がまったくありません。

これらから見えてくるフィル・ナイトの人物像は、この人は表裏無しで、そして飾らず、とにかく自分に素直な人なんだろうなというものでした。

今まで、フィル・ナイトとは冷静沈着な切れ者だというイメージを持っていました。なぜなら、ナイキの「イノベーション」と「したたかなマーケティング戦略」をベースにした洗練された企業活動を見ていたからです。

もちろん、彼にもそういう側面はあるでしょう。

しかし、自伝「SHOE DOG(シュードッグ)」からにじみ出ているキャラクターが根底にあるから、誰もがついてきたし、支援してくれたのでしょう。その上で、自分に正直に、がむしゃらに前進した結果、ナイキを世界一のスポーツブランドにすることができたのでしょう。

そんなことをこの「SHOE DOG(シュードッグ)」を通じて、感じました。

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