USJ森岡氏による「徹底的にやる」という当たり前のことの凄みを感じられる一冊

つい先日、「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を読んだので感想を書いてみます。


ユー・エス・ジェイの元CMOとして有名な森岡毅氏のベストセラーです。

この方の本は他に2冊出ていています。

僕が最初に読んだのは一番直近に出版された「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」でした。この本には需要予測の数式をはじめ、数字に基づいたマーケティングに関するノウハウが詰め込まれていて大変勉強になりました。こちらについては別途しっかりとブログを書きたいなと思っています。

その次に読んだのが上記の本の前に出版された「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」。こちらはマーケティングのフレームワークというか、おおまかなノウハウを森岡氏の体験を踏まえて伝えてくれる良書でした。

そして、今回、森岡氏がはじめて出版した「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を読みました。つまり、出版された順と逆から読破して行きました。


感想

ということで、この「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」ですが、僕が読了したとき思ったことは「森岡氏の仕事に関する姿勢が凝縮されているな」ということでした。その点をいくつか書き出してみます。

アイデアは閃きではない

印象的だったのは、「アイデアを生み出すためには、目的を明確化し、必要条件を定義することが不可欠」という点でした。昔、コピーライターをやっていたことがある僕にとって、「そのとおり!」と叫びたくなるほど、同意できました。

広告のキャッチコピー開発は、まさにそれをやっています。コピーライティングはクリエイティブな作業だから、ある瞬間、キャッチコピーが閃くようなイメージがあります。しかし、実際にはロジックツリーを作って商品の特徴やターゲットについてを細かく定義することよって、作り上げられていきます。最後の最後は閃くようにキャッチコピーが出てくるときもありますが、それは結局、さまざまな条件を整理したうえで考えた結果だったりします。

これって、アイデアを生み出すときには当たり前のアプローチなのですが、準備にパワーを使うから、簡略化しちゃう場合が多いと思います。

アイデアは組み合わせから生まれる

あと、「アイデアはまっさらのところから生み出すのではなく、すでに存在するパクって活用する」という点も印象的でした。

本書で指摘されていますが、日本人は確かにアイデアをまっさらなところから生み出そうとしています。一方、外国ではすでにあるものをアレンジしたり組み合わせたりして、使えるアイデアに作り上げることが上手です。

「生み出す」ではなく「組み合わせて作り上げる」。これにより、アイデアの生産性はあがりますし、前例があるから効果もある程度見えるのでリスクも軽減されますし、いいことづくめです。
しかし、すでにあるものを活用することに引け目を感じてしまうのが日本人です。自分も昔はそういう気持ちがありました。でも、世の中を見渡すと、まっさらなオリジナルはほとんどありません。どれも何かを足し算したり掛け算したりすることで、斬新さを打ち出しています。これに気づいたとき、「アイデアとは組み合わせ」ということを悟りました。

この本に書かれていたこととは少しニュアンスがずれますが、大体同じようなことを考えられていたので、共感を覚えました。

結局は「徹底的にやりきること」

そして、もっとも印象に残ったのは、森岡氏が常に「徹底的にやりきること」を貫いていたということ。
この本にはノウハウやテクニックについても述べられていますが、その前提には徹底的に準備をし、徹底的に実行するのを続けるというマインドが、成果に結びついたということが行間からにじみ出ています。

僕も今まで圧倒的な成果を出してきた人のそばで仕事をしていたことがありますが、どの方もどんな細かいことに対しても徹底的にやりきることに執念を燃やしていました。怠け者の僕からすると「なんでそこまでするんだろう?」と思ったこともあります。しかし、そこまでやることで、やっと成果が出ていました。

ビジネスパーソンのレベルだと、才能の差はそんなにありません。だからこそ、勝敗の分かれ目は結局どこまで「徹底的にやりきる」ことができるかってことなのかなと、当時は思っていました。そして同じことをこの「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を読んで改めて実感しました。

最後に

この「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を読了して、思ったことを総括すると、「成果は当たり前のことをやりきることで実るんだな」ということです、至極当たり前の感想ですが…。
というか、ここまでの文章も当たり前のことを書いてあり、薄っぺらく感じられますよね。なので、森岡氏の執念の凄みは、この「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を実際に読んで、感じてみてください。それを実感できるだけでも読む価値はあります。

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